A.ご提案・ご回答
●提案内容等
名古屋城天守閣木造化事業は、新型コロナ禍での施策としての優先順位は低くなっています。木造化事業を撤回して、現天守閣の耐震改修を行い早期に公開してください。
●回答
明治初期、全国の城が廃城されていく中、姫路城と名古屋城は日本の城郭の見本であるとして永久保存されることになりました。また、名古屋城は、戦災により天守や本丸御殿をはじめ焼失してしまいましたが、先人たちの努力により豊富な史資料が残されており、往時の姿に復元することが可能です。
そのようなことから、平成30年6月に復元した本丸御殿や現存する隅櫓、門のほか、将来的には復元が可能なものは段階的に復元することで、名古屋城の象徴である本丸を江戸期の姿に再現し、特別史跡名古屋城跡の歴史や魅力を実体験していただける場所としていくこととしております。
一方で、戦後、鉄骨鉄筋コンクリート造で再建された現在の天守閣は、昭和34年に竣工して約60年が経過しており、平成8年度及び平成22年度に耐震診断を行ったところ、「地震の振動及び衝撃に対して、倒壊又は崩壊する危険性が高い」という極めて低い耐震性能であることがわかりました。また、コンクリートの中性化の進行、設備の老朽化、外壁モルタルの剥離の恐れなどの課題もあります。
このような問題を解決するため、耐震改修などにより現天守閣を延命させる方法もありますが、外観のみならず内部構造に至るまで往時の姿に忠実に復元することが可能であることから、本市としては、江戸期を再現する本丸の中心として木造天守を復元する方針としております。
当初の整備スケジュールから遅れが生じておりますが、出来る限り早期の木造天守竣工を目指して事業を進めてまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
回答課:観光文化交流局名古屋城総合事務所(電話番号:052-231-1700)